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【特集】京急川崎駅「パタパタ」引退

 2022年1月12日、京浜急行電鉄京急)より京急川崎駅に設置している「パタパタ」(反転フラップ式発車標)が2月で引退する旨が発表された。
 京急川崎駅の「パタパタ」は、京急唯一かつ関東唯一のものだったが、ついにそれが消える日が訪れる。
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 「パタパタ」がなくなることがニュース番組等で大きく取り上げられた。
 今まで、京急川崎駅のホーム上で「パタパタ」を撮影している人間は自分くらいしかいなかったが、引退が報道されてからはカメラ・スマートフォンを向けて撮影する人達が多く現れるようになった。
 自分が訪れた週末の15時頃には、10人くらい「パタパタ」の前後にいた。
 接近メロディーとして流れる坂本九川崎市出身)の「上を向いて歩こう」の通り、みんな上を向いて発車標を眺めていた。
 引退が決まった列車に人が群がる場面はよくあるが、発車標に人が群がる場面は今まで見たことがない。「パタパタ」が多くの人に愛されていたことを感じる。
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 当サークルでは、過去に発行してきた発車標旅行記『発車案内紀行』シリーズにて「パタパタ」を取り上げてきたが、いよいよ関東から消えることを知り、大変残念でならない。
 そこで京急最後の「パタパタ」について改めてどのようなものだったか見ていきたい。

概要

 京急川崎駅の1~3番線は大師線京急川崎駅小島新田駅)、4~7番線は本線(泉岳寺駅浦賀駅)である。
 大師線ホームの発車標は番線と発車時刻のみ表示するLED式となっている。
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 本線は島式ホーム2面4線であり、4・5番線が下り(横浜・三浦海岸方面)、6・7番線が上り(羽田空港・品川方面)である。
 上下の各ホームに「パタパタ」が設置され、4・5番線ホームに2機、6・7番線ホームに3機の計5機ある。
 筐体下部で列車の発車時刻や行先等の情報をフラップで表示し、上部で列車の停車駅を点灯して表示している。
 なお、俗に「パタパタ」と呼ばれる装置は、京急公式では「フラップ式列車発車案内表示装置」を正式名称としている。
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 発車標のメーカーは、横浜市鶴見区に本社がある京三製作所。筐体側面を見ると「2001年1月製造」と書かれており、20年以上稼働していたことがわかる。
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停車駅表示

 次に発車する列車の停車駅を路線図上に点灯して表示する。
 表示している列車が出発すると、停車駅の表示が次の列車に変わり、3段あるフラップが1段目、2段目、3段目の順でめくれて切り替わる動作となっている。
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表示内容

 「パタパタ」の魅力は何と言っても表示が切り替わる瞬間であろう。
 現在の駅で見られるLED式・LCD式のように瞬時に表示が替わるのではなく、時間を掛けてめくりながら替わる様子は惹かれる。
 また、切り替わる途中で普段見られない行先等の表示が見えるところも面白く感じられる。
 京急川崎駅で発車標を撮っている方達の様子を見ていると、写真ではなく、動画で撮影している方が多かった。
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 表示内容について一体どのようなものが用意されているのか気になり、動画で撮影後、スロー再生して内容を確認してみた。
 発車標に表示される項目「順序」「番線」「種別」「行先」「発車時刻」「両数」「備考」ごとに表示内容を一覧にした。
 各コマ左下の番号は表示順序である。

順序

 列車の発車順序は1番目「先発」、2番目「次発」、3番目「次々発」と表示する。
 基本的にこれらの表示のままとなるが、回送列車は無表示に切り替わる。
 例えば、2番目に回送列車となる場合、1番目「先発」、2番目「 」、3番目「次発」となる。
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番線

 列車の番線案内は上下ホームとも1~7番線まである。
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種別

 列車種別は「通快(通勤快特)」「快特」「特急」「急行」「普通」「回送」「エアポート快特」「エアポート特急」「エアポート急行」がある。
 なお、「通快(通勤快特)」「エアポート特急」は1999年7月のダイヤ改正で廃止されている。
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行先

 60コマ中、42コマを使用している。直通先の駅名も含めて種類が豊富である。
 「京急」を冠する駅名は「京急」の部分を小さく表示している。
 2020年3月のダイヤ改正新逗子駅が逗子・葉山駅となったが、「パタパタ」に反映されている。改称から2年も経たないうちに引退するのはもったいなく感じる。
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発車時刻

 時刻の表示は「時」「分(十の位)」「分(一の位)」と分かれている。
 「時」は0時~24時に対応している。「分」は00~59まで使われるが、00~99まで用意されていた。
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両数

 列車が何両編成か表示する部分は「4両」「6両」「8両」「10両」「12両」がある。
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備考

 60コマ中、59コマを使用している。列車がどこで通過待ちするか等の情報を表示する部分は種類が多い。
 こちらも新逗子駅から逗子・葉山駅の改称に対応している。
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京急以外の「パタパタ」

 関東では京急の主要駅で「パタパタ」を見ることができたが、2018年3月に京急久里浜駅、2019年3月に横須賀中央駅に設置されていた「パタパタ」が撤去され、京急川崎駅にあるものが最後となった。
 京急以外の鉄道会社にも「パタパタ」が存在したが、いずれも廃止されている。

京成・八広駅

 京成では唯一の「パタパタ」設置駅だった。行先表示に「油壺」(京急が計画していた駅)が用意される点が特徴。
 2016年7月にフルカラーLED式に置き換わった。
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江ノ電藤沢駅

 ホーム上に編成両数・行先を案内する発車標が設置されていた。ほとんどの列車が鎌倉行きであり、切り替わる瞬間を直接見る機会はなかった。
 2019年12月にLCD式に置き換わった。
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あとがき

 発車標の引退が発表され、最後の勇姿を見ようと多くの人が集まる様子はとても珍しい。
 普段あまり注目されない発車標が「パタパタ」の引退で話題となったことは嬉しいが、消える寂しさもある。
 関東から「パタパタ」が姿を消すが、関西にはまだ多く残されている。しかし、年々数を減らしているため、近い将来過去の物となるだろう。
 日頃から記録として撮ろうと改めて思った。

追記(2022-01-29)

 再び京急川崎駅を訪れると、6・7番線の上り(羽田空港・品川方面)ホームに設置されていた発車標が1機のみ液晶表示に置き換わっていた。
 京急川崎駅に導入される新しい発車標はこの形式のようである。
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 しばらくは、パタパタと液晶の発車標が混在するという珍しい風景が見られる。
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 告知されていなかったが、京急川崎駅の改札口に設置されていたLED式の発車標が液晶に変わった。
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 なお、大師線ホームの発車標に変化はなかった。

<了>