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【旅行記】ふっさふさ!の旅(福生→布佐)

2017/08/12発行『ヘンな旅』より
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はじめに―さよなら、増毛駅

 2016年11月。この時期、JR北海道留萌本線留萌駅増毛駅間が廃線となり、増毛駅がなくなることが話題になっていた。
 増毛駅は、留萌本線の終着駅であり、その駅名から頭髪に悩みのある人にとっての聖地(?)だった。中には四国にある予土線の半家駅から留萌本線増毛駅までの乗車券を買って、「ハゲから増毛」に至る旅をする方もいた。その増毛駅が2016年12月をもって営業が終了する。その前に見ておきたいと思った方達が全国から訪れ、増毛駅はとても賑やかだったという。留萌本線の列車内は混雑し、増毛駅のホームは「大手サークル」の様相を呈していた。
 生憎、筆者は増毛駅に訪れたことがなく、とうとう訪れる前に廃駅となってしまった。誠に残念である。しかし、代わりに増毛駅の次に「増毛祈願」となる場所を探してみようと思った。そして見つけた
のが福生(ふっさ)駅~布佐(ふさ)駅である。
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2016年11月の増毛駅の様子。写真提供:ウォーリー氏(Twitter:@worry787)

ふっさふさの乗車券

 まずは、「ふっさふさ」の乗車券を買い求めるところから旅が始まる。
 券面に出発駅・到着駅が印字されるタイプの乗車券を買うなら、みどりの窓口もしくは、指定席券売機となる。福生駅には窓口がないため、指定席券売機で買った。
 駅名を検索し、出発駅・到着駅を指定すれば通常の乗車券を発券できるが、今回は英語表記の乗車券を買うことにした。指定席券売機の画面に表示される「English」ボタンを押すことで英語モードになり、英語表記の乗車券を買うことができる。駅名を検索する際、日本語同様に操作できるが、英語モードであるため、駅名はローマ字での検索となる。「FUSSA(福生)」と「FUSA(布佐)」を検索し
て乗車券を発券した。英語モードで乗車券を発券した場合、券面の駅名にローマ字が併記され、「下車前途無効」などの注意書き*1、有効期間が英語となる。英語の乗車券にすることで、「ふっさふさ」が伝わりやすくなる。
 なお、券面上では「青梅線中央東線武蔵野線常磐線成田線」というルートとなっているが、これらの路線は東京近郊区間エリア内であるため、重複して乗車する区間がなければどう乗ろうが自由である(実際に乗車したルートは「青梅線中央東線東北本線常磐線成田線」である)。

青梅線福生

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 改札を出ると、福生市のコミュニティスペースが併設されていた。そこのギャラリーでは、地元の写真好きな方達が撮影した作品を展示した写真展が開催されていた。受付の年配の女性に挨拶し、写真を眺めていた。旅先で撮影したものをテーマとしており、日本だけでなく海外で撮られたものもあった。
「カメラがご趣味なんですか?」
 受付の女性に聞かれた。あくまで記録として、スマートフォンのカメラ機能で満足している身なので、やっていない旨を伝えたが、
「でも、いつかは良いカメラで良い景色を撮ってみたいですね」
 と、全く興味がないわけではないことも伝えた。
「今に夢中になりますよ」
 微笑みながら、女性は言った。
 福生駅ホームに戻ると、ちょうど中央線直通の青梅特快がやって来たので乗った。神田駅で山手線に乗換えて日暮里駅まで。そこから成田線直通の常磐線の快速列車に乗る考えだった。

成田線布佐駅

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 予定通りのルートで、日暮里駅にて成田線直通の常磐線の快速列車に乗った。唐揚げそばで有名な我孫子駅までは常磐線、そこから先は成田線我孫子支線)となる。我孫子駅からは単線であった。目的地の布佐駅に到着した。改札口で乗車券を見せ、無効印を頂いた。福生駅から布佐駅までは約2時間、小旅行であった。
 布佐駅を降りて散策してみると、駅は橋上駅舎であり、立派に見えた。ロータリーを出てると、「もっと便利に成田線」と書かれた柱がある。我孫子市議会の成田線複線化促進議員連盟によるものである。成田線は単線であり、本数が1時間あたり2~3本となっている。
 ちなみに、この成田線我孫子支線区間は、テレビ番組「プレゼンタイガー」の企画*2で「水空ライン」という愛称が付けられたが、現在案内には一切使われていない。
 最後に駅からしばらく歩いたところにある「イシヰ飯店」にて遅めの昼食を取った。昔ながらの街のラーメン屋という雰囲気だった。旅先でこういう店で食事をするのが好きなのだ。
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ポスト増毛駅

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 髪の毛ネタとして増毛駅の後釜となりうる駅はどこだろうか。
 例えば、銚子電鉄の笠上黒生(かさがみくろはえ)駅は、メソケアプラス(頭皮のケア関連の商品を扱う会社)のネーミングライツにより、髪毛黒生(かみのけくろはえ)駅という駅名になっている。また、JR西日本関西本線・加美(かみ)駅は、駅名の読みからネタとして活かせそうだ。
 今回、ポスト増毛駅として訪れたのは、御殿場線上大井駅である。「かみおおい(髪多い)」という読みにちなむ。場所が神奈川県内であり、比較的訪れやすいと思われる。
 駅のある大井町は「ひょうたんの町」と呼ばれている。きっかけは、この上大井駅であった。上大井駅では、国鉄の時代である1970年代、駅員が西日避けにひょうたんを植え、それにより「ひょうたん駅」として有名になった。その後、上大井駅無人駅となったが、ひょうたんの管理は、地元の商店街・商工振興会に引き継がれている。また、ひょうたんが大井町のシンボルとなり、毎年8月に「ひょうたん祭」が開催されるまでになった。
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 ところで、上大井駅の使用済みきっぷの回収箱を見たところ、きっぷが箱の口から溢れ出ていた。上大井駅は「紙多い」駅なのだと思った。しょうもないオチである。

<了>

*1:下車前途無効」は「No stopover permitted」となる。

*2:https://www.youtube.com/watch?v=Bc2-8kKhILE